18.44m





「おかしい」



小倉が突き放すように言った。


隣で遠藤が深く頷く。


秋山が腰に手を当てて唇を尖らせた。



「なにがおかしいんだよ」


「決まってんだろ、清水とバッテリー組むことだよ。


いや、秋山に限ったことじゃない。


両国がやってもおれがやっても大空がやっても、へんだ。


清水のキャッチャーは川口しかいねえよ」


「でも、川口来てなかったじゃん」



ちり、と遥は胸の奥が痛むのを感じた。


駿は来なかった。


投球練習をしながら待っていたけれど、現れなかった。



「あいつ、学校には来てたんだろ?テストだったし。


キャプテンも連絡ないって言ってたから、立派なサボりだね。


あの試合でくじけたのかな」


「秋山!」



遠藤が怒鳴る。


小柄な体格からは想像できない大声だ。


両国と小倉に視線を送られたが、遥は無視した。


やや俯いて、暗闇に表情を隠す。



「なんだよその言い方。川口が……逃げたって、言いたいのかよ」


「大空」



遠慮のない言い方だった。


小倉に小突かれ、遠藤がしまったと口を閉じて遥を盗み見た。


気にするくらいなら、言うなよ、バカ。



「知らねえけど、そうなんじゃねえのか?


テストで一週間挟んでも、ばかすか打たれた清水は来たじゃん。


つまり、そういうことだろ。


だから監督も、溝口だけじゃなくておれまで呼び出したんだと思う。


まあ、おれの考えだけど、間違っちゃいねえだろ」




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