続・銀髪姫と不良幹部
「…先輩、あの時のこと覚える?」


あの時…。


それは私と瑠依が高校であった時のことだよね?


「利用されているってやつ?」


「…うん」


やっぱり。


あの時はちゃんと答えられなかった。


でも今なら…。


「…私は例え血の繋がる人に利用されていたとしても逃げるわ」


「逃げる?」


「うん、でもしっぽを巻いて逃げるのとは違う。力をつけて、反撃するために逃げるの」


そう、私は今その状況にある。


そして、だいぶ力がついた。


仲間という力。


だから私は今日、反撃にきた。


「反撃…」


「そう。だからね、そんなに思いつめないで?辛かったら泣いていいんだよ?」


泣いた分、人間は成長できる。


だから人間は泣けるんだ。


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