海岸の仔羊
「いまから
死んじゃうんだから!!」

首に手が回る

もうだめだ…

目をつぶる。

こいつが犯人だったか…

なぜあのとき俺はこいつを
庇ってしまったんだ…

ちくしょう…




ってあれ?

首絞められてないし…

恐る恐る目を開けると

笑いをこらえてるせいか

口が変な風に曲がってる
並田が目に入った

「きっ…喜多…
びっびりすぎ」

神さま。こいつを殴っても
怒らないでください。

「ぶはははっ」

並田は声に出して笑い始めた

「ちょっ…喜多、目が
マジになっとるよ」

「笑いながらいうな!」

頭を一発
思い切りしばいてやった
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