マリの毎日
(でも! あたしのバックは武器になる!)


「ちょっとルイコ! 耳貸して……」

「耳なんかあげないわよ!」

「何言ってんの!? もーいーから!」


無理やりルイコの耳を引っ張り何かを囁くマリ。


「オッケー!」


2人はにやりと笑い合いました。

何企んでるんでしょ。ろくなことじゃなさそーですけど。


「私のサーブね」


ルイコは気合いを入れ、しかしゆるーくサービスを打ちました。


「うわっ」


ルイコの剣幕からスピードのあるボールを予想していた某子は気の抜けた様子で、至って普通のレシーブを返しました。


「もらったあああああ!」


獰猛な獣の如く叫び、マリは思い切りバックを放ちました。


「くうっ」


姫、走る走る走る走る走る!

マリちゃんもせこいことします。超前の方。ちょんボール。主人公なのに。


姫がボールに追いついたかに見えた時!


「え!?」


きれたー!

ありえないくらい、はっきりと。ボールが逃げて行きました。
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