恋じゃなくてもイイですか?


「♪ ♪ ♪ ~」


桜の花びらのシャワーが降り注ぐ中、前方から、真新しいランドセルを背負った女の子が2人、歌を口ずさみながら歩いてくる。


ぶかぶかの制服、私立の小学校なのかな?ベレー帽をかぶった愛らしい彼女たちに思わず頬が緩む。




まず、一旦マンションに戻って、軽くシャワーを浴びよう。


きっと洗濯物溜まってるだろうなぁ、家事出来ないもんね。


洗濯機回してる間に、買い物行こうっと。


今日ってこの後も晴れだよね。


後で、天気もチェックしなきゃ。


これからすることの計画を頭の中で組み立てて、マンションへと向かう。


エントランスに入り、暗証番号を押して、ロックを外す。


エレベーターに乗り込み、部屋へと向かう。


数日離れてただけなのに、もう懐かしい気分なのは、早く彼に会いたいからなんだろうなぁ。


ロックを解除し、玄関の扉を開いた所で、思わず目がテンになった。


目の前に、真っ赤なエナメルのピンヒールが揃えて置いてあったのだ。


部屋間違ったかな?思わず外に出て、部屋番を確認する。

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