Mein Schatz

入院生活に慣れ始めて1週間、

"自分を変える"なんて言ったはいいものの、そんなに簡単ではなかった。

前のようにホームシックにはならなかったが特に変わったこともなかった。


先生へのトキメキはどうも一時の迷いらしく、今はそんなこと全くおもわない。


「先生、私どうしたら変われますか?」

思い切って相談してみた。


すると、


「そんなの自分で考えることやろ。」

なんて冷たく突き放されてしまった。

内心ショックだった。


最初に会った時はすごく優しそうにしていたのに今はそうでもない。


(お母さんいたからいい顔しただけなのかな…)



ーある日、


香織はモヤモヤしていた。


一緒に入院しているあずきさんと話していて

「ねぇ、香織ちゃんはこれからどうなりたいの?」

「うーん、悩んでるっちゃ悩んでるけどなんかなかなか思い浮かばなくて…」

「そっか、あたしは早くよくして家へ帰って子供の面倒を見られるようになりたいなぁって思っているんだ。」

「へぇ~、ずいぶん前向きなんですね。」

「そうかもね、まぁ前向きになれたのは直樹のおかげかなー」

直樹とは加賀見先生のことだ。


香織はなぜか無性にむしゃくしゃしていた。


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