Mein Schatz

夏の終わりに…


~香織side~


先生から退院という言葉が出てから三日。


当たり前に過ぎていった時間が当たり前じゃないと初めて感じた。


正直言って、退院なんてしたくない。


でも、いつかは通る道だとは思ってた。



本来の中学生に戻る日が…。



散々私をほったらかしにしていた母が初めてお見舞いに来た。


「ずいぶん顔色が良くなったみたいね。」

「そうかな?」


他人行儀になってしまう。

母さえも信頼できなかったから。


「香織ごめんね。母さんあんたをあきらめてたよ。ずっとこのままなんじゃないかって思っていたよ。ずっと厄介払いされていた人にいくら謝られても許してもらえないと思うけど、香織を傷付けたことをほんとに申し訳なく思ってる。」


と言った母は目に涙を溜めていた。


(前の私ならこんな平謝りでも許せなかったかもしれないけど今なら許せるかもしれない…)

「お母さん、もういいよ。なんなら先生にお礼してあげて?私をここまで変えたのは他の誰でもない先生だから。」


「香織…うん。わかったよ。」



こうして退院の日取りを三人で決めた。


(お母さんいるのに先生にドキドキしちゃう…//)



だいぶ重症なもんで、


「香織、先生が好きでしょ?」


「え?そんなことないよー」


「顔に書いてあるわよ。ベタぼれですってね。」


そう言って病院をあとにした。──


(わーどうしようー)
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