私って、きれい?



「好きな人に好かれたくて、きれいだって言われたくてやったことなんだろう?好きな人に近づこうとして努力した証の顔なんだから。僕は醜い顔だとか化け物だとか思わないよ」


「……本当にそう思うの?」


「ああ」


僕は満面の笑みで答えた。


「……本当の本当に?」


「ああ」


もう一度満面の笑みで答える。


すると、つうっと恵子の目から涙がこぼれた。


「あの人に……あの人にそう言ってもらいたかった……」


恵子はしゃがみこみ、泣き崩れた。




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