ブルーローズ
ちぃさん流パジャマパーティの夜
「それでは並木様、これから全身マッサージへ入らせて頂きますね」

エステティシャンのお姉様の言われるがままにベッドの上へうつ伏せに寝ると、そこからは全てが夢心地だった。

濃厚なバラの香りが私の体の上を滑る。

そして、細胞を生き返らせるかのように、プロフェッショナルの指がしなやかに動く。

あ~幸せな感じ。

私、並木美知佳(なみき みちか)は、某高級ホテルの最上階にあるエステサロンに来ていた。

しがない雑誌編集者の私が、日頃の喧噪やストレスを忘れ、ここでまったりとした時間を過ごしているのは、ひとえにモデル事務所を経営している三谷千鶴(みたに ちづる)ことちぃさんのお蔭だ。

片目を開けて隣りのベッドを見ると、豊満ボディを露出させた目映いばかりのちぃさんもマッサージを受けながら、談笑している。

ちぃさんは、この間の週刊誌の記事を私が気にしてると思ったみたい。

『女優・亜弥葉(あやは)、藤城陽希(ふじしろ はるき)との関係を独占告白 ドラマ共演に隠された過去』だっけ。

何故、一語一句覚えているのかと言えば、私と陽希の仲を知っている編集部の誰かが、ご丁寧に私の机の上にその雑誌を置いていってくれたから。

中身は題名ほどセンセーショナルでなく、お互いモデルだった頃の戯れを匂わす話しや、今季放送中のドラマ出演によって再会した後は『親密な友好関係』を陽希と築いている話し等。
< 1 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop