後輩に惚れた先輩～ドS後輩に惚れた弱み～

*サッカー部の王子様？*

...そういえば、今日の部活には1年生が1人来るんだっけな..



それで..



「まだ来てない？」
「どこどこ？」
「ほんとに入部したの？」



なんなんだ、このギャラリーは！！

先輩やら同級生やら..
いつもハル先輩を見に来るファンの人たちじゃない..



「あ、ハル先輩」


H「ん？どうした？」


「あの人たちは一体なにを見に来てるんですか？」


H「あ～...ジュンじゃない？w」


「え？！弟さんをですか？」


H「まぁ...どうだか知らないけどさw
さ！練習練習！」



準備体操をしてたハル先輩曰く、ハル先輩の弟君。
ジュン君を見に来てるらしい..


やっぱり、兄弟そろって格好いいのか。



？「あの」


「あ、はい？」


？「げっ」


「あ...あぁ！！あんた！！」



ま、まさか...こいつがあの中村ジュン君とか言わないよね！？
あのぶつかってきたガキんちょ..！！


J「..あ、あの時は悪かった」


「......別にいいですけど」


J「あ、ホント？ならよかった。
俺中村ジュンって言うんだけどサッカー部に入部する..「えぇ？！」



やっぱ、やっぱこいつが中村ジュン？！


...格好いいけど..
それは、それで別！


最初の印象が悪いこの子とどうやって仲良くしていけばいいのさ。

やっぱ後輩とか無理。



J「おーい」


「ちょっと待った。あたし一応先輩！」


J「え？マジ？同級かと思った」


「は？！」



だ、だからタメ語だったと..？
そんな幼稚に見える？



J「なんかかわいい系？まぁ、実際可愛いかどうかなんか知らないけど」


「失礼じゃない？」


J「まぁ、よろしくね。せーんぱい^^」



うっ..ちょ、ちょっと可愛いじゃないか..
あぁ！ダメダメ！あたしにはハル先輩。ハル先輩...


H「あ、ジュン！」


J「兄貴。俺なにするんだよ」


H「その子に聞いて。良い子だから」


J「良い子ね～...ふーん」



ふーんってなによ。
悪い子じゃないし！良い子っちゃ良い子だし！



J「じゃあこの優しい先輩になんでも聞く」


「どうぞどうぞ」


H「じゃ佐野よろしくな」


「はい！！」




...なに。


「なによ」


J「いや？
はい！！だってさww

あんたハルのこと好きだろ」


「は？！す、好きじゃないし！！//」


J「いやいやバレバレだから」



なんなのさ！ユミコよりも怖い！

ていうか、お兄ちゃんのことハルって呼び捨てで呼んでるの？


..ハル先輩舐められてない？
性格が全然違うっていうか..弟の方が強そうっていうか..



J「で？マジで俺は何したらいいわけ？」


「雑用よ雑用！」


J「いいの？俺に雑用なんかさせたらあの綺麗な先輩方があんたに何するかわかんないよ？」



「き、綺麗な先輩方って..あの見てる？」


J「おう。俺の..ファンみたいな？w」


自分で言うかな、普通..



「ハル先輩に頼まれてだし！」


J「俺結構有名なエースストライカーだよ？」


「つい最近まで小学生だったくせに！」


J「小学生でもすごいやつはすごいんだよ」


「どうせ、まわりにちやほやされたいからサッカーやってるんでしょ？
兄弟なのにハル先輩とは全然違う！」


J「ハルと一緒にするな！！」


「ッ..！？」



...びっくりした。
生意気な顔から、急に怖い顔をした中村ジュン。


大きな声を出されて固まるあたし。


J「ハルと...あいつと一緒にすんな」


「...な、なによ...」


J「先輩。外周行ってきます」



中村ジュンはすぐに元の顔っていうか、真顔に戻ってさっさと走りに行った。


...って、中村ジュンとハル先輩は一体どういう関係..？
兄弟..なんだよ、ね..？