擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~


ガラガラ、とノックも無く勢い良く開け放たれたドアと共に、柏木さんの快活な声が私の名前を呼んだ。

「いいところにー!ちょうど、衣装のデザイン考えてたんだー。雅ちゃん、いい案あるー?」

「柏木さんっ」

柏木さんの手を両手でガッチリと掴むと、彼女はたじろぎ、半歩後退する。

「え、あ、ごめんなさい。つい雅ちゃんって・・・」

「私があなた達を優勝に導くから、せめて・・・、せめてっ、衣装はパロディじゃないものにしましょう!」

「う、ん?パロディって何?」

「・・・ぷっ」

後ろで結城君が小さく笑ったので、柏木さんにはバレないように睨み付けてやる。

アニメの衣装になると、きっと私はスイッチが入る。

だから、最初からオリジナル衣装を作ってしまえばキャラクターになりきることはないだろう。


文化祭。私の教師人生の試練だと思おう。

< 163 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop