擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~
教師と生徒の余韻


期末テストの採点を終えて、まだ残っている先生達に挨拶をして職員室を出た。

「あ・・・」

「お疲れ。先生も今帰り?」

下駄箱で靴を履き替えている結城君と鉢合わせてしまった。

あえて避けてきたわけじゃないけれど、2人だけなのは理科準備室の時以来になる。


「そうだけど。結城君は生徒会長を降りたのに、こんなに遅いの?」

「先生を待ってた、って言ったら?」

含み笑いを浮かべている。

私がどう反応するのか、伺っているみたいだ。


「そういうの、やめてって言ったでしょ?」

小さく微笑んで返すと、結城君は少し目を見開いた。


「嘘だよ。担任に捕まってた」

面白くなかったみたいで、拗ねたようにマフラーに顔を埋めた。

「結城君が?ついに煙草がバレたとか?」

「俺がそんなヘマすると思う?」

「愚問ってわけね」

「そういうこと」

拗ねていたのも束の間、相変わらずの自信過剰炸裂・・・。


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