擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~
教師と生徒の心得

演劇部の3年生はあの大成功を収めた舞台を最後に引退した。

悔いが残ること無く引退でき、受験勉強にも思い切り専念できると言っていた。

それも、先生のおかげです、と。

その言葉は私には少し、くすぐったかった。


伊丹先生はその後、私の事を睨むようにして見るものの、私に直接絡んでくることは無くなった。

結城君の言葉が効いたのか、演劇部にも良く顔を出してくれるようになったと部員の1人から聞いた。



夏休み前のテスト順位が貼り出され、生徒達が一斉にその前に集まっている。

その前で聞こえる声は感嘆だったり嘆きだったり。

「結城は今回も余裕の1位かよー」

「ヤマがたまたま当たったんだよ」

順位表の前を通過しようとすると、そんな声が聞こえてきた。

結城君が謙遜してる。レアー。


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