オリのナカのヒメ
………あーあ、大変なことしてくれたわね、あいつ。
でもまぁ?別に私たちだって確実な証拠もないわけだし、いっか。
梓「…ということだ。この話を持ってきたのは川口先生だが…本当なのか?」
苺は固まって動けない様子。
羽月はいつも以上に無表情、焦ってる証拠だ。
私はため息をついた。
『つまり、あなた方は疑っているのですね?その証言の通り、私達が犯人だと』
私は動揺などしない。
“つねに仮面を被っていなさい。”
小さい頃、母に言われたのを覚えている。
だから、こんなときでも冷静に対処できる。
…ほんの少しだけ、動揺しちゃったけど、さ。
梓「俺は君たちに正直にはなしてもらいたい」
『質問の答えになっていませんわ』
梓「…話せ」
……なんかこのまま続けてても終わらない気がする。
立花梓の態度にもイラつくし。
あーめんどくさい。
『はぁ…、ご想像にお任せしますわ。ではそろそろ時間ですので、私達はこれで失礼します』
私は一礼をしてから苺と羽月の手を引っ張り、生徒会室を後にした。