涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
本音のお話、というやつ
「俺、じゃないでしょ。
夏希の好きな人」
あたしの目を見ながら揺らぐことなくそう告げられて。
「え…?」
「いつまではぐらかすの?」
「や…な、に…言ってんの…?」
一度離れたその距離をグンと縮めてきた怜に驚いて後ずさりした。
「ドキドキ、する?」
その行動に、ビックリ、はしたけれど、ドキドキ、はしなくて。
うん、と頷かなければならないはずなのに、頷けなくて。