涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
「なっちゃん…?」
そんなあたしに、甘えたな怜が気付かないわけがなくて、不思議そうな顔をして、あたしが離れた一歩を縮めようと歩みを進めた。
少しの違和感で気付かれると分かっている。
そして、今のあたしは、違和感だらけだと言うことも理解しているつもりだ。
だけど…。
理解したところで、今のあたしにそれは何の意味も持たない。
「どうしたの?
俺…なんかした…?」
泣きそうな顔で、怜は自分の手をスッとあたしの手に伸ばす。