無口な同期とイチャラブ♡オフィス


「優吾!お誕生日おめでとうー!!」


ケーキがテーブルに置かれると同時に、私は予め用意していたプレゼントを優吾の手にグイと押し付けてからパチパチパチとありったけの祝福を籠めて拍手を贈る。

演出を盛り上げるため、オーナーが自慢のピアノでHappy Birthday to Youを弾いてくれて、ダイニングにいた他のお客さんまで拍手をしてくれた。


まさかのサプライズに優吾はしばらくキョトンとしてから、凄く照れくさそうに、でもすごーく嬉しそうに笑うと

「ありがとう、りんか」

目をふにゃりと細めて言った。

そして、オーナーや他のお客さんにもはにかんだ笑顔で頭を下げると、もう1度私をほこほこした笑顔で見つめて

「嬉しい」

って、あったかい声で呟いた。


そんな優吾の『嬉しい』が、私は嬉しい。

やったよ柴木ちゃん。私のサプライズ0割1分の確率でも成功したよ!

心の中でガッツポーズをしてから、優吾にもう1度

「お誕生日おめでとう!!23歳になってもヨロシクね!」

と幸せてんこ盛りの祝福を贈った。


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