無口な同期とイチャラブ♡オフィス


既に自分の明太チーズをお皿に避難させた私が、あまりにも可哀想なブタ玉を見かねてジョージのヘラを奪い取る。


「貸して、ほら、私がやったげる!」

「うおっ。りんりん優しい!」


手先は器用な方じゃないけれど、多分ジョージよりはマシだ。

小山になってる生地を1度平ったくし、崩れないようにぎゅっと鉄板に押し付ける。さっきからひっくり返せてないブタバラ肉が焦げてる気がするけど仕方ない。あきらめて。

そして、崩れなくなりそうな固さになってきた所で、生地の下にヘラを差し込みひっくり返……あれ。


ジョージの席は鉄板付きのテーブルを挟んで私の向かい側。その彼の前にあるお好み焼きをひっくり返すには、私の腕の長さでは少々遠い。

届かなくはないけど、バランスがね。こう……難しいな。

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