無口な同期とイチャラブ♡オフィス


お会計を済ませ店から出た私たちは、くだらないお喋りをしながら駅まで歩く。

まあ、喋ってたのはほとんど私とジョージだけど。優吾は楽しそうにそれを聞きながら、時々頷いたり短く言葉を返す。


私はそんな優吾の隣をさりげなくキープしながら歩いた。時々、触れそうになる腕にドキドキしたりしながら。


ああ、楽しかったな。

優吾とご飯が食べれて、彼女疑惑の誤解も解けて、いとこの大二郎の事も知れて。


昼間は誤解でショック受けたりもしたけど、結果オーライ。今日はいい1日だ。


駅に着いて優吾たちと別れるとき

「また明日ねーおやすみー」

と大きく手を振った私に、でかい声で「おつかれー!」と返したジョージの隣で、優吾が小さく手を振ってくれた。

そして、その唇が小さく。本当に小さくだったけど。


「おやすみ」


って言ってくれたのを、私はしっかりと確認した。


わあ。わああ。嬉しいなあ。

『おやすみ』って。優吾が『おやすみ』って言ってくれたよ!


嬉しくて、なんだか身体の奥からキューっと湧き上がってくる想いを抱えて、私は満面の笑みでもう一度手を振ってから京葉線のホームへと向かった。



本当に今日は、素敵な1日だ。




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