無口な同期とイチャラブ♡オフィス



帰り道で、私の足は地面に着いてなかったかもしれない。

こんな浮かれた気分になったのはいつ以来だろう。もう嬉しくて嬉しくて、体がフワフワと浮いてしまいそう。


「いやー飲んだ飲んだ。久しぶりに飲み過ぎちゃったわー」

「柴木ちゃんもりんりんも、家、習志野っしょ。電車乗り過ごさないように気をつけて帰んなよ~」

「優吾とジョージはひび野の方だっけ。いいなあ近くて」


ああ、ほら、また。『優吾』って口に出来るたび、私の体はまたフワフワと地面から浮き上がってしまう。

そして、呼びかけた私に

「うん」

と振り向いて頷いてくれるのが、もっと嬉しくて。

ダメだ。今日の私はもう地面に着地できないよ。

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