桜の約束




「久しぶり、心優ちゃん。
大きくなったねぇ。あれ。今何年生だっけ?守」



大きくなったね、と言いながら首をゆっくりと傾げ、俺にきいてくる。



まぁ、その気持ちはわかる。



心優の見た目は4年生。



「心優は6年生だよっ!
…むぅ、まもにぃ。なんでお客さん連れて来たの」



疎ましげな目で十夜を見た後、同じ目で俺を見る。



う〜ん。

思春期に入って嫌がってるのは知ってるけどさ、迎えに出て来てくれる程度にはまだ好いていてくれてるんじゃないの?



まぁ、そんな疑問は口に出さない。



出したら、出迎えがなくなる可能性がある。



それはさみしい。



「あぁ、もう心優ちゃんは6年生かぁ…来年は中学生だねぇ」



疎ましいと思われていることには気づいていると思うのだが、十夜は特に気にするそぶりが無い。



微笑ましいものでも見るように心優を見つめ、にこにこと言う。




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