今さら恋なんて…



あたしまで思わずニヤニヤしながら言うと、龍哉は肩を竦め、

「そんなことないですよ。…あ。そうだ。司さん、そんなこと言うなら、本当にそうなるか確かめに来たらどうですか?」

って、意地悪な笑みを浮かべた。


「おー。あたしにケンカ売るんだ?」

思わず龍哉を見上げ、あたしはそう訊いた。


「そんなつもりはないですけど…面白そうじゃないですか。俺の評判で、司さんの腕も分かるわけだし…」

龍哉は涼しい顔でそうケンカを売る。


思わずムカー。


龍哉目当てのお客が集まらなかったら、あたしの腕が悪いせいだって言いたいの?


「いいわよ。ただし、あたしの言葉通りになったら、ご飯おごりなさいよ!」


あたしの言葉に、龍哉は面白そうに笑いながら、

「ええ。いくらでも」

って頷いた…。



< 42 / 479 >

この作品をシェア

pagetop