今さら恋なんて…
すると、目の前のロビーにも人だかりが出来てるし、頭上から聞こえる声に思わず上を見上げると、吹き抜けの廊下やカフェからもフロントを覗き込むお客さんで溢れていた…。
マジか…。
想像以上の光景に、あたしは思わずその場で立ち尽くしてしまった。
そこへ、
「いらっしゃいませ」
って声。
振り返ると、この前カフェの場所を教えてくれたコンシェルジュの彼が立っていた。
「あ。こんにちは」
「こんにちは。本日は何かお手伝い出来ることはございますか?」
コンシェルジュの鷹岡くんは、にこやかな笑顔でそう聞いてくれる。
「あ、えっと…今日は、龍す、け…遊川くんの様子見に来ただけなので…」
言ってしまった後に、思いっきり変態発言だな、と思ったあたしは…赤くなる頬を隠せずに、両手で頬を覆った。