今さら恋なんて…



必死に龍哉の首にしがみつきながら、あたしは恥ずかしさに耐えていた。


「…もっと、いつかみたいに、ぎゅうぎゅうしがみついていいですよ?」

あたしの髪に顔を埋めながらそう囁く龍哉。


甘やかされてるみたいだけど…嬉しくて…あたしは遠慮せずに龍哉の首に、ぎゅうぎゅうしがみついた。


「それでいいんです。…やっぱり司さんは可愛い人だ…」

龍哉は嬉しそうにそう呟くと、そのままリビングに入り、ソファーに座った。


ゆっくり腕を解いたあたしの顔を覗き込み、

「さぁ、司さんの気持ち教えてください。全部素直に言うまで、離しませんから」

って、龍哉は甘い色をした瞳を細めて囁いた。


玄関の明かりは付いてるけど…部屋は真っ暗なまま。


だけど…距離が近すぎて、心臓の音まで聞かれてしまいそうだ。



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