クールな彼と放課後の恋
でも、呼べるわけないよなぁ…

稲瀬から急に『悠』なんて呼んだら、なんか図々しいよね。


稲瀬だって、私のこと『藤川』って呼んでるしなぁ…






♪♪~




すると、テーブルに置いていた私のスマホが鳴った。

画面を見ると…



【稲瀬{夕方から来る予定だった人が急に来られなくなったから、急遽代わることになった。遅くなるから、先に飯食べてて】



「…」


稲瀬からのLINEがきていた。




バイト延長するってこと?

新人なのに、そんなことってあり得るの?


よっぽど人手が足りないのかな。



私は稲瀬にレスして、スマホを置いた。



今LINEしてきたってことは、稲瀬は今休憩中なのかな?

なにか食べてるのかな?

なんか心配かも…












カチャ

カチャカチャ…



稲瀬がいない夕飯が終わり、日向が流しで皿を洗ってくれている。

私はその横で、ごみ袋をしばっていた。




もうすぐ8時…

稲瀬、何時に帰ってくるのかな…





「ごみ外に出してくるね」

「うん!」


私はごみ袋を2つ持ち、玄関でサンダルを履いて外に出た。

そして玄関横にごみ袋を置き、なんとなく家の前の道まで出てみる…


ここで待ってれば…

じきに稲瀬が帰ってくるかな…




「…」


少し考えたあと、私は一旦家に入り、財布と鍵を手に持った。





「お姉ちゃん?どっか行くの?」
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