幼なじみ。






あたし、いつも助けてもらってばかりだし・・・





たまには、何かしてあげたい、という気持ちがあるけど・・・





時々不安になる。






心愛ちゃんのためにい色々してるけど、ほんとうに役立っているのかが・・・





できる限りのことだけはしてあげたいと思った。






「あ、麻帆!もうこんな時間だから行こ?間に合わないから!」






急いで心愛ちゃんが車椅子の準備をしてくれた。






「ごめんね?いつも・・・」






「いいの!」





あたしは車椅子に座り、心愛ちゃんが後ろからゆっくりと押してくれた。







あたしの周りにはこんな心優しくて温かい人がいるなんて初めて知った。






あたしが大きな病気になるまでは、全く気づかなかったのに・・・・







今、何故か世界が変わったかのように思えた。





ゆっくりと、心愛ちゃんと喋りながらも廊下を歩いた。





「麻帆」





「ん?何?」




「呼んでみただけー!」





「ははっ、何それ!」






こんな些細なやりとりでもあたしにとっては楽しいしかけがえのないものなんだ。







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