幼なじみ。







あたしは少し移動して日陰から日向へ出た。





じっとしているのもつまんないから・・・





愛雅から目をそらして、女子のところへと行った。







・・・・あたしも走りたいな・・・・






またそんな感情が芽生えてきた。





トラックの周りをぐるぐると自分で車椅子を動かして回った。







少しでも走っているような感覚になるために・・・・・






でも、どんどん視界が歪んできた・・・・







あ・・・・





あたし・・・・死んじゃうんだ。





でも・・・・まだあたしには・・・やり残したことがいっぱいあるの。






だから、まだ死んではいけない。






あたしは車椅子から落ちて、グラウンドの地面に倒れこんだ。





「先生、先生呼んできて!」





心愛ちゃんの声があたしの耳に届いてきた。






よかった・・・・・





あたし、まだ生きてるんだね?




やり残していることができるんだね?







「・・・・・ハァハァ・・・・ハァ・・・・」





息切れがして、すっごく苦しい。





救急車のサイレンの音が聞こえてきた。




運ばれている途中は意識が朦朧としていた。





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