幼なじみ。
愛雅が急にスッとあたしの前にしゃがみ込んだ。
「おぶってく。じゃねーと、帰れねーから・・・」
愛雅は前を向きながらあたしに言った。
「で、でも・・・・あたし重いし・・・・」
「大丈夫だから・・・」
「・・・うん・・・・」
そっと、愛雅の背中に乗って立ち上がる。
あたしと愛雅の身長差はかなりある。だから、あたしから見る景色と愛雅の目線の高さから見る景色ってこんなにも違うんだね?
「麻帆、軽っ!ちゃんと飯食ってんの?」
「食べてるよ・・・」
この大きくて温かい愛雅の背中はものすごく心地が良かった。
でも、心のどこかでドキドキしてる。
周りから、どんな目で見られてるかはわりと気にならなかった。
だって、あたしのそばには愛雅がいるから。