幼なじみ。

再び診察







前と同じ病院に着いて、この前はあたしだけで行ったけど、今日はお母さんまで診察室に入るみたいだ。







「安西 麻帆さーん」





看護婦さんに呼ばれ、支持された診察室に入った。




診察室のドアを開けると前に見てもらった人と同じ人が座っていた。




「安西さん。この前は申し訳ございません。やはり、ただの貧血ではないみたいでした・・・・」




まだ、この現実を受け止めることができない。信じることができない・・・




「安西さん、最近異変が起きたりしませんでしたか?」




・・・・異変?





あっ、そういや・・・
めまいとか、貧血みたいな症状じゃなかったら・・・・




「今日、帰ろうとして靴を履いたら何故か小さかった。自分の靴だったのに・・・・」




そう医者に話すとすごく驚いた表情を見せた。





「それは・・・・・心不全という病気ですね・・・」




「心不全?、ですか?・・・」




心不全って聞いたことがあるけど、あまり詳しくは知らない。




大きな病気なのかも、治療法があるのかも、死んでしまうくらいの恐ろしい病気なのかどうかも何もわからない。





「まぁ、詳しく言うと心臓の病気です。病気での死因で結構多い病気です。それは、心臓移植する相手がなかなか見つからないという人が多くて、死んでしまう人もいます・・・」




心臓移植・・・。


その言葉を聞いた瞬間、何か心に針が刺されたようにチクっと痛んだ。




もう・・・陸上できない?
グラインドで毎日汗水垂らして走ることができなくなる?




そんなのやだよ・・・・




あたしの夢はオリンピック選手だよ?
諦めなきゃいけなくなるのは嫌だ。





< 78 / 228 >

この作品をシェア

pagetop