白銀のトライアングル
「よしお・・・」

紗耶が呟いたと思ったら、

「紗耶!おめでとう!」

そう、嘉雄が言った。

嘉雄はこの言葉を言うために今日まで何度も何度も自分自身でリハーサルしてきていた。

そして、やっと言えたのだった。

「よしお、ありがと・・・」

紗耶もこの嘉雄の言葉にとても嬉しかった。

あのときは、紗耶のことを許してくれずに追い返されたことが胸の奥にずっとつっかえたままだったからだ。

嘉雄もあのとき追い返した自分に腹を立てていたが、今の一言ですっとしたものを感じた。

「さあ、二人は主役なのだから早くガーデンのほうへ行って!」

と麻紀が促した。
< 65 / 221 >

この作品をシェア

pagetop