四十九日間のキセキ
「それはそうと隼人」

「何だ改まって」

「あたしの手術の日隼人終わるまでずっといてくれたんだって? ありがとう」

「なんだその事か、いいんだよ別に、俺の仕事先は実家の旅館だからある程度融通が利くんだ。だから気にするな」

「でも手術が終わるまで結構掛かったんじゃないの?」

「だから気にするなって言ったろ、いいんだよ紗弥加はそう言うこと気にしなくて。それに思ったほど時間もかからなかったしな」

「そうなの? とにかくほんとありがとね」

「それはそうと、この前から思っていたけどこの部屋いい部屋だな。海がこんなにきれいに見える」

隼人の言葉にも紗弥加はあまりいい顔はしなかった。

「確かにいい眺めよね、でもあたしはずっとベッドに寝てばかりで景色を眺める余裕なんてないわ」

「そうだったな。ごめん余計なこと言って」

「いいのよ気にしないで」

二日後、この日は両親が見舞いにやってきた。

「どうだ紗弥加、元気にしているか?」

孝之の声に静かに応える紗弥加。

「今日も来てくれてありがとう、気分はまあまあかな?」

「そうかまあまあか。ところで毎日病院暮らしで退屈じゃないか」

「まあ退屈は退屈だけど一日中いてもらう訳にもいかないしね」

「まあ確かにそうだがな?」

すると紗弥加は二人にあることを尋ねる。
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