笑顔が見たいから
思い出
「風奏、はやく帰らなきゃお母さんに怒られるぞっ!」
名前を呼ばれて振り向くとそこには毎日見る大好きな顔があった。
「…!うん!悠ちゃんこんなところでなにしてるのー?」
私よりも1つ年上の近所に住む悠ちゃんは、優しくて1つしか離れてないのにしっかりしたお兄ちゃんだった。
「なにしてるのって…。迎えにきたんだよ。暗くなったらオバケがでちゃうぞ!」
「…⁉オバケやだぁぁぁぁぁっ!!」
悠ちゃんはいつも私のそばにいてくれる。まるで、本当の兄妹みたいね。ってよく言われちゃうくらいずっと一緒にいて…。
本当の兄妹だったらよかったのにって何度も思った。
「はやく一緒に帰ろう!」
泣いているときも困っているときもどんなときでも悠ちゃんは私に手を差し伸べてくれる。
「一緒に帰ろう。」
って……。




だから、私はこのままずっとずっと…大人になっても一緒にいられるんだって夢をみていたんだ…。




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