愛しい君へ
新年





美陽と出会ってから半月ほど経った。



僕と彼女は中庭のベンチに腰掛け、いつものように中と外の話に盛り上がっていた。


僕は外界と切り離されてから約2ヶ月ほどになるのに、美陽に話せる話題はいくらでもあった。



「もうすぐお正月だね。」

「そうね…。私はもう何年もお正月の催しをしてないけれど…。」

「大晦日は一緒に過ごして0時になったら同時にあけましておめでとう!って叫べたらいいんだけどねー。むりかなーやっぱ。」

「無理じゃない!きっと!」

「だめだよ(笑)ちゃんと夜は寝なきゃ。」

「えぇ〜…」


酷く残念そうにする美陽は僕に淡い期待を抱かせる。

けれどそんな僕の安易な思考が美陽に通用するわけがなかった。

もちろん、美陽は“仲のいい友達と”新年を祝いたいのだ。




たぶん…ただ…
それだけだっただろう。





< 19 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop