私んちの婚約者
番外編・3 兄んちの婚約者


「わたくし、西園寺葵(さいおんじあおい)と申します。
あなたの、婚約者です」


そう言って、目の前の端正なお顔を見上げたなら。

彼は冷たい目で私を見て口を開く。


「どうも。私はあなたを愛してはいませんが、神前の後継者を産んで下さる方として、大切にしますよ」


それが、あなたが初めて私にくれた、本音の言葉だった。


ーー私の婚約者、神前蓮也。


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