冬美の初恋
けつまつ
翌々日。


本日は快晴で、相変わらずお兄ちゃんと二人で登校した。

「久しぶりに晴れたね」

「おう……朝日が目にしみるわ」

久しぶりに差し込んだ光に、寝不足のお兄ちゃんは辛そうに目をこすった。

「大丈夫?今日、体育でしょ?」

「あ、体操着忘れた………!」

「え、どうすんの?」

今さら家まで取りに行ったら、確実遅刻だ。

「あーまあ、友達からテキトーに借りる」

「……そう」


今日の5限のHRで席替えが決まり、くじで私は窓側になった。

斜め後ろが万理で、6限が始まるぎりぎりまで後ろ向いてしゃべった。

「ほらー席ついてー」

現社の先生が教室に到着し、しかたなく、私は前に向きなおした。


「この時代の背景が………」

「……………」

なんとなく窓から校庭を見渡すと、お兄ちゃんのクラスが体育の授業をやっていた。

あ、ノリちゃんだ。

ノリちゃんは、友達と2、3人で立ち話をしていた。



お兄ちゃんいないなー………まだ着替えてるのかな?
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