愛されオーラに包まれて
『さぁ、タイちゃんたちが来たから、みんな座って~』

明日美さんが仕切る。
誰かが仕切らなきゃならない人数っていうのが、今朝までいたうちの実家とは大違い。

ここはどこかの公民館の集まりか?
人口密度が高いよね。

『あとは、タイちゃんよろしく』

あれ、明日美さん丸投げか。
でもその方が早いのかな。
みんなが私を見ていたので、先に私から。

「高松遥香です。泰河さんと同じ会社の後輩です。よろしくお願いします」

たくさんの人に見られて、さらに緊張しながら頭を下げた。

『あとは俺から言うよ。左から、母の里子(サトコ)、父の孝(タカシ)、弟の頼平(ヨリヒラ)、兄の天馬(テンマ)、下の妹の七瀬(ナナセ)、さっき玄関に出て怖気づいた甥っ子の英嗣(エイジ)、明日美の旦那の博人(ヒロト)さん、抱っこされているのが姪っ子の果林(カリン)・・・あれ、お前もいたの?』
『悪い?』
『じゃぁ、明日美の友達で家族同然で出入りしている盛岡みなみ(モリオカ ミナミ)』

あれ?
彼女、どっかで見たことあるんだけど・・・あ!

「白石うらら!」
『こら、指を差さない!』

泰河に手を払われた。
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