私の誠は…




部屋を後にした紫音はずっと感じていた視線の方に顔を向ける。

「そこに居るのはわかっている。降りてこい山崎丞。」

紫音が天井に向かって呼び掛けると一人の忍が降りてきた。

「さすが同職やな。それより何故わいの名前しっとるん?」

「調べた。…案ずるな、長州の輩には言ってない。」

「当たり前や。」



いつの間にか2人は縁側で忍として世間話をしていた。

しばらくして、山崎が報告の時間だと言って腰をあげる。

「ほな、わいはまた監視せんといかんから。」

「ああ。それにしても忍に忍をつけるって…土方はどうかしてるな。」

「せやな…じゃな、紫音。」

山崎は紫音の最後の言葉に苦笑して天井裏に戻っていった。


二人は会話が終わる頃にはお互いを名前で呼び合うほど打ち解けていた。

紫音は久しぶりに楽しい会話だったと頬を微かに緩めた。


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