タイトル


海外にいた俺の両親は

宗太のことを聞くと、

あっという間に帰ってきた。




俺のように毎日お見舞いに行こうとするから
それはとめた。



その代わり、
宗太の母とは会っているらしい。




ほんと、
すごい親だといつも思う。





まぁそれは宗太の母親もだけどな。







ほんと、すごいよ。


夫を早くに亡くし
息子を先に失う気持ちを想像するだけで
俺は耐えきれない。







「もっしもーし!!」


「あっ凛くん、どうしたの?」


「あのですね( ̄▽ ̄;)、
宗太からお願いがありましてですねぇ…」





電話越しに
宗太の母。


少し間があいた。







「…いいわよ」


「えっ?」



何も言ってないのに
OKさせた。


なるほど、
もう全部お見通しなのか。





「病院には私から言うわよ」


「あっありがとうございます。」



「なに、いってるのよ!!

…こちらこそ、
ありがとう。」






俺はこんなに綺麗な言葉を
聞いたことがなかった。




電話を切ると涙が止まらなくなった。





宗太の母親の最後の言葉。





あまりにも綺麗で美しくて
真っ直ぐでいろんなことが詰め込まれたそれは

涙が止まらないほど
耳に残った。


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