もう一度、最初から
*その13*

*****

柚希さん、怒ったかな……。

身体はベタベタで、一刻も早くシャワーを浴びて、ゆっくり休みたい。

でも、全身ベタベタな今の状態が、どん底の気分にマッチして、妙に気持ちいい。

大通りに面した公園にふらりと入る。




ベンチに腰掛け、空を見上げる。


あたし、なにやってるんだろね。

エノキは、もう答えを出したんだから。


抜けるような青空と、足元の砂と。

あたしは、今日のこの日を想い出に出来るのかな?

あの頃はどん底だったなーって、笑える日は、来るのかな?






「……朱里さん?」
< 182 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop