もう一度、最初から
エノキがいないと分かると、ペットボトルのお茶とのど飴を買って、柚希さんは帰って行った。

その間、吉田さんと喋ったり、お客様が来てる間は陳列棚をうろうろしたりしてたみたいだけど。

終始にこやかで、柔らかい雰囲気で、幸せそうで。

守られている人の余裕って言うのかな。


だからあたしは、柚希さんがたまにふと、暗い雰囲気になったり、険のある表情をしていたことなんて、その時は全然気がつかなかったんだ。
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