冷凍保存愛

 一年中真っ黒に日焼けをしているのは彼がラガーマンだからで、決して日焼けサロンくんだりに通っているわけではない。

 笑うと一番に目に行くのは真っ白い歯だ。

 目線を上げるとそこには優しそうな目、右目の下に泣き黒子、それだけで母性本能をくすぐる甘いマスクだが、その体格はがっちりしていて腕はまるで丸太。

 これでスレンダーならば更にモテたに違いない。もちろん今でも女子の人気は高い。

 そんな強羅は誰もいない学校、自分の入るクラスの前に立っている。

 時間は8時。

 こんな時間なのに職員室にも校舎内にも人がいなかった為、勝手に校舎内に入ったわけだ。

 勝手に入るのは気が引けたが仕方なく、あくまでも仕方なく教室を探し、ようやくたどり着いた。

 この状況が何がどうなっているのか分からない強羅は頭を掻きながら一体何があったのか、これからどうしようか考えていた。



< 77 / 225 >

この作品をシェア

pagetop