死が二人を分かつとも


「お前を、離さないよ」

“心底楽しそうに、語るんだ”。

耳元で囁かれたことで、現実に引き戻される。

「やり直そう。今の俺ではそよ香に逃げられるから、次の俺で」

絡められた左手。
二度と離さないと言わんばかりに、力強く。

「今度こそ、結婚しような」

彼は誓いを果たすのだったーー



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