その鎖で縛りつけて
狂わせないで

「おはようございます
詩織様、ご気分はいかがですか?」


カーテンから眩しい光がはいってきた


「…まあまあです」


私のところなんか来なくていいのに

「朝食はどうでしょうか?お食べになられますか?」


「…いらないです」


「昨晩も何も食べられていないので
何か食べられた方がいいかと…」


「いらないです」


私が冷たく言いはらうと中川さんは寝ている私と同じ高さになってから言った


「…ここに何か持ってきますね」


もう…何で中川さんは私にこんなに優しいのだろう


これ以上優しくしないでほしい

お願いだから放っておいて…


密かにポロポロと泣いた




しばらくして中川さんが朝食を持ってきてくれた







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