声をくれた君に


「もうごはんは食べたの?」

「まだ」

「え?!

冷蔵庫に作って入れてたんだけど…

気づかなかった?」

「いや、あんたと一緒に食べようと思って、待ってた」

(そういうの、すごく嬉しい…)

「ありがとう、悠梓くん」

「ん」

「じゃあ今から温めるね」

私がその場を去ろうとすると

悠梓くんが私の手を掴んで、そのまま引っ張った。

「わあっ」

バランスを崩し、ソファに横たわる悠梓くんの上に倒れこんでしまった。

「何その体制。

大胆なやつ」

「どう考えても悠梓くんのせいだよ」

「おなかすいた」

「うん、用意するから…

手、離してくれないかな?」

「やだ」

(もう、大きな子供みたい…

そういうところも可愛くて好きなんだけど)

「やっぱり

珠李を食べたい」

「え?!」

全身の熱が顔に集まるような感覚。

「も、もう変なこと言わないでよ」

「俺は真剣だけど?」

そう言って私の目をじっと見つめる。

「ねえ、珠李のこと、食べてもいい?」

「…もう、

好きにしていいよ」

私は観念して笑いかけた。

< 183 / 209 >

この作品をシェア

pagetop