屋上共犯者。


タクトと一緒に見た空は、
あんなに優しくて綺麗だったのに、


私一人だとどうしてこんなに悲しいんだろう。


夜の屋上は、少し不気味だった。

昼とはまるで違う建物みたい。



暗くて淀んでいて、
何か得体の知れない生き物が住んでるみたい。


私は一番端まで歩いていって、
フェンスに手をかけた。


カシャ、と音がして、

冷たい感触が手に伝わってくる。


下を見下ろすと、

やっぱり地面は遠かった。






……ここに来て、一つだけ分かったことがある。

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