無口なカレとの甘い恋
「マジかよ……」
空を見てうんざりしたように呟く海星君。
あたしはバッグから取り出した折り畳み傘を開いた。
「一緒に入ろう?」
「無理だろ。二人で入るには小さすぎるし。俺は平気だし、姫子だけ入れって」
「ダメだよ!!一緒に入ろう」
「早く入れよ。濡れんだろ」
二人であーでもない、こーでもないと押し問答を繰り返していると、急な突風が吹いた。
元々頑丈な作りになっていない折り畳み傘。
風が吹いた拍子に、傘が勢いよく裏返ってしまった。