星が瞬く夜に。






『・・・はい』



スピーカーから聞こえた、女の人の声。



「・・・玉井です。
玉井郁美と言いますけど・・・」


『輝流のクラスメイトの子かしら?』



声が弾んでいる。

私が来たの、そんなに嬉しかったか?



「はい・・・。
プリントを届けに来ました・・・」

『わざわざありがとう。今開けるわね?』



すぐに扉は開いた。

私の全身を眺めている女の人。

明るい茶髪を肩まで伸ばしていて、目元がぱっちりした美人。

お姉さん?



「来てくれてありがとう。
ささ、入って?」

「お、お邪魔します・・・」



玄関に1歩入ると、ふわ・・・と甘い香りがした。

気持ち悪くなんてならない、優しい香りだ。



通されたリビングは広く、綺麗。

確かにこの人、掃除とか好きそうだしね。




「紅茶とコーヒーとお茶とジュース、どれにする?」

「ありがとうございます。では、紅茶で・・・」


飲み物の種類は多いし。






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