。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
「ちょ、ちょっと…待ってください。離れてってどういうことですか…
あたし今からエリナの家に行かなきゃ…」
あたしの言葉に響輔さんは苛立ったように前髪を乱暴に掻き揚げた。
「お嬢から聞いてないんですか?新垣さん、今たちの悪い男からストーカーを受けてるって」
「知ってます……そのことでエリナが塞いでるから、……事情を知らないお母さんが来てくれって…」
「だからってノコノコ来たわけですか」
ノコノコ来るぅ??
ちょっとムっとしてあたしは乱暴に響輔さんの腕を払った。
「友達の一大事なんですよ!」
突如声を荒げたあたしに響輔さんは一瞬だけびっくりしたようにその切れ長の瞳を開いて
それでもすぐに
「あなたを尾けてたのもその危険なストーカー男かもしれないんですよ。
俺がこの辺をパトロールしてたから良かったものの、一人じゃ襲われてたかもしれないんですよ。
今すぐここを離れましょう。目を付けられたらあなたも巻き込まれるかもしれない」
と声を低めた。
眉間に皺を寄せて、見たこともない怖い顔で睨み下ろされあたしはそれだけで居竦んだ。
けれど―――
「でも!友達を見捨てられない!」
あたしが言い切ると
響輔さんは深くため息を吐き
「知らなんだ……
リコさんて意外に頑固なんですね」
と一言。