。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。

金髪!?




□ 金髪!? □



青い絨毯を敷いたような空は、小さな綿菓子のような雲だけが点々としていて、


THEデート日和!!☆
(気温の方はデート日和じゃねぇけどな)


暑ちぃ!!


MIRACLEランドに入場して、早速額に汗を浮かべながらもマップを広げて覗き込むあたしたち。




「まずはキャンディータワー行きたいなぁ。スイーツハウスも気になるぅ☆」
「最初はデンジャラスマウンテンだろ~?そんで次はゾンビシューティングとか♪」




あたしと戒の声が揃って……(言うまでもなく前者があたしの意見なんだけどね)


二人して顏を見合わせた。


まさか…しょっぱなから意見が分かれるとは…


ここは戒に合わせよう!


キャンディタワーもスイーツハウスも気になるけど、自分の意見押しつけて我儘な女だと思われたくない。


「で…デンジャラスマウンテンにしようぜ~!あ、でもあたしジェットコースター系は乗れるけどあんま怖いのはちょっと……」


と意見すると


戒は目をぱちぱちさせて


「意外だな。お前がそんな女子的なアトラクションをチョイスするとか」


………


おい!!(怒)


「てめぇ!あたしがしおらしく譲ってやってんのに、その態度は何でぃ!」


思わずいつもの調子で戒の胸倉を掴んで、ゆさゆさ揺すっていると、周りに居た人たちが目を丸めていた。


小さい子供を連れての家族連れなんて、お母さんが「見ちゃだめよ!行きましょうっっ」てな具合で子供の手を引いて慌てて立ち去っていく。


その横で


「くっくっく……!」と笑いを堪えている戒。


「な、何だよ!」




「いや?いつものお前らしいな~とか思うて。


俺はしおらしい朔羅よりこっちの方が好きやよ?


無理して合わせんでもええし。二人が楽しめるのが一番」




頭上に上った太陽より明るく、淡い水色の空よりも爽やかに戒はにかっと白い歯を見せて笑う。


そんな風に笑われたら、卑怯だし。


さっき湧いた一瞬の怒りはどこへやら。


「デンジャラスマウンテンに行く前にキャンディ―タワーあるじゃん?そっちから行こうぜ~♪


ん??待てよ。こっちから行くとルート的に『MIRACLEゴーランド』もある。メリーゴーランド的なヤツだろ?朔羅好きそう。


そんで次に、『ミラビと船の冒険、MIRACLE Ship』ってのあるぞ?」


次々にあたしが好きそうなアトラクションをチョイス&提案してくれて、


あたしのこと考えてくれてる証拠だよね?


嬉しいよ。



今日は楽しい一日になりそうだ。






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