。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
「す、すみません(のぞき見みたいなことして)!」
あたしはアヤメさんに謝った。
「あの…ケータイを……」
「「ケータイ??」」
アヤメさんとドクターの声が重なり
「何の手違いがあったのかあんたの車ん中に朔羅のケータイが入り込んじまったんだよ。
取っていい?」
慌てまくりのあたしとは反対に戒は冷静過ぎるほど冷静で、トランクを目配せ。
「一体…何の手違いがあったのか謎ですけれど、どうぞ」
ドクターは素直にトランクに視線をやり、あたしは慌てて中を開けた。
思った通りケータイはトランクの隅に置かれていて
それを取りあげるとあたしは慌てて二人に頭を下げた。
「す、すみませんでした!」
と、あたしはもう謝るしかできねぇけど
「別に覗きとかじゃねぇからな。俺たちの行動を怪しむのならどーぞご勝手に」
と、戒の方は妙に堂々としていて
「か、戒!」
あたしが窘めるものの、戒は気にした様子がなくあたしの手を取って
スタスタとその場を立ち去った。